21世紀の人類社会は、かつて遭遇しなかった危機と可能性とが混然となり、未来へ向けての視界には海図なき海が広がっているようです。教育、環境、科学技術、メディア、コミュニティ…社会と個人の暮らしを構成するどの分野にも、解決すべき課題が山積しています。

これらの状況に対する新たな解決は、多様な人々との対話と協働によってなしとげられる ソシオ エンジン・アソシエイツはそう考えています。個人が経済的に自立し、自由な社会・経済生活を楽しみながらも、多様な文化を認め合い、コミュニティとして共存する自律分散型の持続可能な社会。そうした真に豊かな社会をデザイン (=構想・実践)すること、未来をいわば“豊饒の海”にすることを、私たちは事業を推進するにあたってのミッションに据えています。

未来へ開かれた持続可能な社会の地平を、机上の空論としてではなくフィールドワークとして、自らがエンジンとなって具体的にかたちにしていくこと。そこでは、社会・経済・環境という3つの価値の軸に加え、現代に生きる私たちの自然の欲求としての精神性、創造性、美的感性といった「文化価値」への着目が不可欠です。この4つの軸のバランスを考慮し、新たな社会づくりを進めるエンジニアリング / プロデュース手法としての「ソーシャル・マーケティング」が、私たちの事業の中核となります。

P.コトラーの「ソーシャル・マーケティング」から十余年を経て、「ソーシャル」なかたちが様々な波にゆらぐ中、私たちは「ソーシャル・マーケティング」を個人と組織のイノベーションを引き起こす「社会的技法」として据えています。持続可能な社会づくりへ向けては、個人の価値観・ライフスタイルやコミュニティ形成の変革と、社会的な組織の仕組みや事業活動の変革とが、両論で進んでいく必要があると考えるからです。

特に、個人やコミュニティからのイノベーションに関しては、人が生涯にわたって学び続け、智恵を交換し、成長していくことができる多彩なコミュニケーションと学びの場を創出すること、社会的消費や環境・健康に配慮しながらも快適で美的なライフスタイルを追求することを、それぞれ支援しています。また、組織からのイノベーションについては、社会・経済・環境・文化の4つの軸のバランスがとれた新たな事業形態であるソーシャル・ビジネス (社会的事業) の創出と、多様な組織 (企業や行政、大学、NPOなど) の協働による社会的責任マネジメントの支援に重点的に取り組んでいます。

こうした事業を展開するにあたり、私たちは、社会の様々な分野で活躍する同じ想いをもった多彩な専門家、実践家とのネットワークであるプラットフォームをアソシエイトして、連携・協働を図っています。民間企業、NPO、大学、あるいはフリーランサーなど、テーマごとに「つながり」をもった専門家たちのファームとして、創発的な課題解決や事業創造を行っていきます。